こんにちは、”Daytona Mobilityの何でも屋” こと のりもの大好きスタッフMです!
弊社のある周智郡森町、名前の通り“森”な“町”なので、すっかり朝晩冷えるようになってきました。
開発大詰めのDK01ですが、プレスリリースから早3ヶ月――。開発秘話(的なもの)も少しずつ公開していこうと思っております!
DK01の開発が始動したのはおよそ2年前、
まだまだ道交法が“近いうちに変わるらしい”と言っていた頃。(※道交法:改正案可決が’22/4、施行が’23/7)
最初は電動キックボードというキーワードこそ社内で挙がっていたものの、具体的なイメージや価格帯は無く、
“新道交法で電動キックボードなどが走行可能になるらしい、改正後の道交法に対応できる電動車両を作ろう”
といったところからのスタートでした。
開発スタッフたちは自転車を扱う部門におり、企画~開発から販売に携わる部分、修理等までフルコミット。そこで得た知識や経験を活かしてスタートしました。
(1)市場調査
元々原付規格で販売していた電動キックボードについての情報や、様々な研究機関・企業の描く“last one mile”の世界観などを中心に情報収集し、企画を詰めていきました。
時に市場調査の一環として実際に個人売買で車両を入手しアレコレ分析したり、バッテリーにとって条件がよくない真冬に公道走行可能な原付で走行テストを行い、テスト走行した急坂の途中でバッテリー切れを起こし……と様々な経験をし、それらを企画に落としこむことに。
ここで大変だったのは長距離寒い中走ること(笑)
自転車のように自分が動くこともなく、バイクのようにエンジンの熱もないのでむしろ寒いくらい…テスト後半は少しづつ気温も戻ってきていい時期だなと思っていた気がします(笑)
(2)企画
既に当時販売していた電動アシスト自転車(DE01をはじめとするDEシリーズ)は“アシストに見えないアシスト自転車”“ポタリング(自転車で寄り道しながら楽しむアソビ)に特化した自転車”というコンセプト。
では、電動キックボードはどんなポジション?というのを考えていきました。
イメージとしては電動アシスト自転車と車両を使用する人のイメージは近いイメージ、でもより流行に興味のある人、ストップアンドゴーの多い地域でも乗りやすく、
そしていわゆる“ザ・キックボード”というよりも、
楽しそうで、所有したくなるような印象のモビリティにすることを目標にしました。
(3)車体のスペックと方向性
市場調査と市場調査の中でも、実走行を伴って詰めていった部分については特に市場にあるものとの差別化を狙ってコダワリを多く盛り込んでおり、街乗りに耐えうるモーター性能、タイヤの大きさ、バッテリー容量などを決定しております。
……これらのコダワリと企画で挙がっていた目標を満たすことは絶対!というところで方向性は決定したのでした。
(4)スタイリングデザイン
スタッフMが元々工業デザイン畑出身なのもあって、スタイリングデザインが大きな価値要素となると考えていたので、どんなスタイリングにするかはじめはかなり悩んでいました。
デイトナらしい車両とは何だ?というのを突き詰め、所有したくなるデザイン(愛着を持つような…)であることを常に意識しながら形を詰めていきました。
先に動いていた企画と再度すり合わせ、
“DE01とリンクするデザイン”という方向性を出してからはあっという間で、
駐輪場のアイドルになれるような(?!)アイコニックさを醸すことを目指して
細部のイメージや、仕様・イメージを決定していきました。振り返ってみると、DE01をデザインの元ネタにはしているものの
雰囲気やアイコン的なそれぞれの要素を抽出し、再解釈したと言っても過言ではないレベルで、
様々なパーツの比率や大きさを変えています。そのおかげか、DE01とDK01を並べると“兄弟というよりは親戚”のようにも見えます。
試作車両はプレスリリースの少し前から関係者へ公開していたのですが、
“並べてみたい”“デイトナらしいルックス”というお墨付きをいただくことも多く、
遠い親戚には見えない、ちゃんとリンクしているように見えるんだということを改めて実感し、
すごくホッとしたのを覚えています。
(5)法律とルール
実はJEMPA(一般社団法人日本電動モビリティ推進協会)の会員企業として、道交法をはじめとする様々な改正にも携わっており※、意見照会やワーキンググループへの参加など、日夜WEB会議や細かい確認にあたっていました。
車両の開発と並行して進めていったので、一つ法律が決まるごとに「開発中のあのパーツは適合するのか」「このシステムは保安基準を満たすのか」といったことも気にしながら進めていくのが非常に難しいポイントでした。
※本年度はジャパンモビリティショーにもJEMPA名義で出展していますが(そしてJEMPA会員として表立った活動は今回のJMSが初めてですが)実は2022年の春からJEMPA会員企業さんと連携し、小さなことから大きなことまで、色々なことの決定に携わっていました。
(6)試作機到着
試作車両は二度製作しており、第一試作では車両の構造やデザインの確認、第二試作は量産車両に近い、一般の方でも乗車いただけるよう精度を上げたものを製作しています。
第二試作については特定小型用ナンバーも取得しており、自賠責さえあれば一般道走行も可能な状態です。
車両の加速感などの味付けもあらかた固まってきており、つい先日までの試乗車ではピーキーだった出だしの加速感は抑え気味にアップデートし、初速は加速しすぎずマイルドな乗り味になっています。
この仕様での試乗会はジャパンモビリティショー以降となるので、販売モデルに近い乗り味を試したいという方は是非試乗ブースへご予約の上ご来場ください♪
最後に…現在、WEBサイトでの先行予約などが出来るよう車体や納期の最終調整をしています。
先行受注は年内/車両の発売は来春となる予定ですので、続報をお待ちください!