まだまだ暑い日が続きますね“孤高のポタライダー”アーサーです。
今年も記録的な猛暑となった8月にポタリング行ってまいりましたよ。
今回は静岡県の真ん中あたり、富士川〜薩埵峠(さったとうげ)の往復ポタです。
コース概要
静岡県中部の道の駅 富士川楽座をスタートし富士川沿いの堤防を南下、途中で旧東海道に道筋を変えて蒲原、由比と西方面に走り薩埵峠に至る、およそ30kmの往復コース。
走行距離:30km
獲得高度:321m
所要時間:3時間半(休憩含む)
真夏のライドの楽しみ方
季節は夏、お盆過ぎとはいえ、まだまだ暑い日が続く。こんな時にポタリングなんてしてもカメラファインダーを覗くことすら億劫になってしまう。
こんな時期は暑くない時間に走るか、暑くない場所を走るのいずれかであるが、今回は前者を選択しました。
道の駅 富士川楽座をstartしたのは5:00ちょうど。この日の日の出は5:15なので既にあたりは明るい、気温は25度前後と快適である。
道の駅をからしばらくはすぐそばを流れる富士川沿いの堤防を走行します。
ちょうど朝日が登ってきて、陽の光がいい感じにあたりに広がり出します。
昼間とは全く違う柔らかな光が写真心をくすぐります。
暑くなる前に進まないといけないのだけど進めない。

富士川にかかる鉄橋は朝日に照らし出されていい感じに。

見晴らしも良い堤防沿い、走りやすい道が続く。
ドーンと富士山。

刻一刻と変わる陽の光の中で浮かび上がる富士は絵になりますね。
富士川沿いから内陸へ道を変え、県道396号を西へ走る。
早朝ということもあり、車の交通量も少なく快適なサイクリングが楽しめる。
振り向くと昇りだした日に照らされたアスファルトが輝いて綺麗。


すぐ近くにはJR東海道本線が走り、時々道を反対側にとっても面白い。
細い路地や狭い踏切などをゆっくりと進むと絵になるような景色に出会えたりもする。
由比を通り過ぎるといよいよ薩埵峠へ。

ここまでは平坦な道が続いていた、この看板より先もしばらくは平坦な道が続きいっこうに峠に至る気配がないのだが、それは突然にやってきた。
車で走れるかという感じの狭く急な坂道。木々も鬱蒼としており進むことを躊躇してしまう。
どこかで道を間違えたかと地図を確認するもこの道を進めと示している。
それでも進むのをためらっていると、犬の散歩をしている地元の方に出会ったので、薩埵峠にへこの道を進めば良いのかと尋ねてみる。
峠へは確かにこの道を進めばいい。すごく急な道だけど、100mくらい進めば平らな道になる。
……よし、これで心は決まった意を決して、急坂を進むことに。
いかに電動アシスト自転車といえども急坂はキツイ。
平坦な道や緩い坂道であればすごく快適に走れるのだけれども、急坂に関してはやはりサイクリストとしての技量が求められる。
ゆるゆるおっちゃんポタライダーにとっては一番キツイ急坂を悪戦苦闘しながら進む。
コース選択間違えたかなぁなどと考えながら進むこと数分、地元の方のいう通り、急坂の終わりが見えてきた。
急坂をなんとか登り切る、その後も細かな起伏を繰り返すが、随分と軽く感じられる。
そんなこんなで山道をしばらく進むと薩埵峠までたどり着くことができました。
薩埵峠は静岡県静岡市清水区、由比と興津の間にある峠である。
この辺りは、南アルプスから続く山々が海岸沿いまで迫り平野部が少ない。特に薩埵峠は海までせり出すような形になっている。
眼下には日本の大動脈とでもいうべき、東名高速道路と、国道1号線、JR東海道本線が並走している。
かろうじて、東海道新幹線だけが数百メートル内陸をトンネルで通過している。
台風や大雨などで度々通行止めになるし、地震などで土砂災害や津波の被害を受ければ交通網がすぐに遮断されてしまうのがよくわかる。
新東名ができた理由や、内陸にリニアを作る重要性がよく理解できるようになる。
そんなことを考えながらも、眼下に絶景を眺めるというのは非常に気持ちがいい。

富士山が雲に隠れることなく綺麗に見える。

…時間を早朝にしたのは実はこの富士山にも理由があるのです。
天気が良ければ大きな富士山はどこからでも見えるだろうと思うのですが、天気が良くても雲がかかったりで意外と富士山は見えない。
夏場は南から吹く風が、日中に温められた駿河湾の水蒸気を含んだまま富士山に当たり雲が出やすくなる。
狙うなら午前中、もっと言えば早朝がベストである。
早起きしたかいもあってこの日の富士山は絶景でした。

薩埵峠からの眺め、左奥に富士山が綺麗に見える、海上には太陽の道が煌めく

この道を登って来た。空や緑が夏っぽい。
さてここからは復路、来る時に気になった箇所などを確認しながら帰る。
出発してしばらくは先ほど苦労して登った道を下る。
ところどころ舗装の状態が悪かったり、夏蜜柑が道に落ちていたりで足元がよくない。
パンクやスリップ、下手すれば崖下へ転落しかねない、ここは絶対にスピード出しちゃいけない場所。
幸いなことに交通量は全くなし、ブレーキをずっと握りっぱなしの状態でしばらく下る。
来る時に気になったポイントはいくつかあったのだけれども、由比駅まで戻って来ました。

由比の駅前にシンボリックにある大銀杏、青空に映えてとても存在感がある。
秋になったらまたいい感じなのだろうなと、想像が掻き立てられる場所です。

これも由比の駅前、由比桜えび通りということで、大きなピンクの桜えびのオブジェ。

由比といえば、桜えびということで由比漁港にやって来ました。
桜エビの獲れるのは国内では駿河湾のみ、私はかき揚げで食べるのが大好物です。
ただこの日は、朝早すぎるということもあり、直売所も食堂もどちらとも開業前。
この日の漁港は人影もまばらでのんびりと写真が撮れました。
桜エビが楽しめる由比漁港は春か秋の漁期にあわせて訪れるのがおすすめです。
かき揚げなどの料理は年中楽しめるのですが、なま桜エビが味わえるのは、春秋の季節にこの辺りの地域だけだと思います。

東海道の宿場町「由比宿」の本陣跡地にあるのが東海道広重美術館。歌川広重は江戸時代の浮世絵師で「東海道五十三次」が有名ですよね。
その中で「由井 薩埵嶺」という作品では先ほど訪れた薩埵峠から由比方面に富士山と駿河湾を望む絵が描かれています。
当時と変わらない遠景がいまだに残っていますよね。
薩埵峠で広重の描いた風景を確認するという今回のポタリングいかがでしたでしょうか?
真夏ということもあり、走行時間を早朝にしたことにより、まだ開店前という場所がたくさんありました。
ただやっぱり、この季節は早朝がおすすめです。
まだ夜の涼しさが残るなか、走るのは気持ちがいいですし、早朝の陽の光は本当に面白い。写真が楽しくてしょうがありません。
走り終わりが8:30でしたがもうこれ以上は日が強すぎて食欲も無くなってしまいます。
秋になったらゆっくりと桜エビを食べに来よう。
そんなことを思わせてくれる薩埵峠ポタリングでした。
今回の旅のお立ち寄りスポット
- 道の駅 富士川楽座
- 富士川沿いの堤防
- 薩埵峠
- 由比漁港
- 静岡市東海道広重美術館