
10月になってようやく涼しいと感じる時間もできてきました。
これからしばらく走りやすい季節になります、“孤高のポタライダー”アーサーです。
今回のポタリングは先日の茶ミーティングの賑わいの余韻も残る、遠州森町のデイトナ本社がスタートして袋井方面をぶらっと巡る周遊ポタリングです。
先日、リリース告知されたばかりのDE02-2を、おそらく誰よりも早くポタリングしてまいりましたので、新車両の乗り味などもお伝えできればと思いますので最後までお楽しみください。
コース概要
デイトナ本社を出発して、田園の中を走りながら、南方面へ向かうい遠州三山と総称される、可睡斎と油山寺を巡り帰ってくる周遊コース。途中、お茶畑の広がる丘陵地帯もあり、ワイルドな隧道もありの30kmのバラエティに富んだコースです。走行距離:30km
獲得高度:349m
所要時間:5時間(休憩含む)

デイトナ本社を出て広域農道を南へ走りながら、天浜線の円田駅。
田舎を走るローカル単線はどこでも絵になります。
この円田駅も1日乗車人数が50人にも満たない小さな無人駅。
ここは駅舎もなく、小さなプラットホームだけがポツンとあります。

駅の北側にはお寺や神社があってしばらく散策していると、踏切のなる音が聞こえてきました。
やってきたのが1両編成のディーゼル機関車。今年の大河ドラマの”どうする家康”のラッピング車両でした。
ドーンと松潤家康公の車両、今年1年よく見るやつですね。

円田駅からさらに南へ、しばらく田園の中を走ります。
今回のポタリング、お米が実った田んぼの中を走りたいというのが最初のコンセプト。
9月に入ると稲刈りがどんどん始まるので、少し心配だったのですがまだまだありました。
延々と広がる田んぼに整然と並んで立つ電信柱、これぞ The traditional Japanese scenery です。

今回のポタリングの裏コンセプトが隧道を抜ける。
隧道とは
質問
トンネルと隧道(ずいどう)の違いを教えてください回答
国土交通省HPより
トンネルと隧道(ずいどう)の呼称については、呼び方に違いはありますが、同じ意味であり、違いはありません。
古くは、「隧道」と呼ばれていましたが、最近では、一般的に「トンネル」と呼ばれることが多くなっているようです。
とのことで、要するにトンネルなのですが、今回の私がいう隧道とは狭義として、もともと地元の住民が生活の利便性を考慮して自分たちで手堀りで掘ったような小さなトンネルです。
ここはヤマハ発動機の袋井テストコースの脇にある袋井一色隧道。
磐田・袋井・掛川のあたりは平地部に丘陵が点在していたりするので、比較的多くの隧道が見られる地域です。
もっとも地元の限られた人のみが利用するような道なので整備もあまりされていないので、通行には注意が必要です。

隧道を抜けてたどり着いたのが”可睡斎”静岡県袋井市久能にある曹洞宗のお寺です。
お寺なのか人名なのかよくわからないこのお名前ですが、ここで出てくるのが先ほどの家康に関する逸話。
家康公が今川での人質時代にお世話になったのがここのお寺の住職。後に浜松城の城主になった家康公が当時の恩に報いるために招いた席であろうことか住職は居眠りをしてしまいました。
それを見た家康が「睡(ねむ)る可(べ)し」(眠ったままでいいよ)と言われました。そこから寺の名も可睡斎と改められました。
可睡斎は宿坊などもあって大きめの伽藍も並んで、明るく晴れ晴れとした印象のお寺です。
風鈴祭りや火祭りなど四季折々のイベントごとも開催しているのですが、今回はちょどイベントの合間で残念。
これはまた、時期をみてリベンジします。

可睡斎にもう一つある家康公の逸話が”家康公 出世六の字穴”
家康公が武田信玄との戦いで攻められた際に逃げ込んで難を逃れたという洞窟です。
途中で可睡斎の伽藍が一望できたりと、散策ついでに見てまわってみてください。

可睡斎から油山寺の途中にあった田んぼ。
ちょうど稲刈りしている途中でした。
裏手に迫る雑木林とかいい感じのほのぼの空間でした。

次にやってきたのが、可睡斎と同じく遠州三山の一つに数えられる油山寺。こちらは真言宗のお寺ですね。
可睡斎よりも歴史が古く701年に行基によって創設されたとされています。最初、油が湧出したことから油山寺という名称になったと言われております。
すぐ近くのお寺でも随分と雰囲気が違いますね。
山門に掲げられている菊の御門は孝謙天皇が御眼の病気を患った際に加持祈祷をおこない病気が全開したことから、勅許をいただいて勅願寺となったことに由来しているものだと思われます。

山門を潜ると、木々が茂っており木漏れ日の柔らかい光の空間が広がっていました。
木々の多くが紅葉で、これからの紅葉の季節が楽しみな場所ですね。
個人的にはこういった雰囲気の場所、大好きです。

お寺巡りの次にやってきたのが和田岡の茶畑。
なだらかな丘陵地帯に、お茶畑が広がっています。
この時期は一番茶、二番茶、三番茶と続いたお茶の収穫も終わってしばらく経ち、秋の整枝が行われている時期です。
来年の新茶のための仕込みがもう今から始まっているわけですね。

この辺りには古墳が点在しているようで、これは吉岡大塚古墳。
茶畑の中に、突然現れる丘。
周りには他に高い構造物もないので、登るとあたりの茶畑を一望できるはずなのですが、長いこと整備中が続いているそうです。

和田岡の茶畑のすぐ近くにあるのが本日、二つ目の隧道が宇刈四連隧道。
あらかじめ、場所を調べておかないとまず気がつきません。
そして調べておいても進むのが躊躇われるこの入り口。

先ほどの藪の入り口を進むと、隧道が見えてきます。
大き沢先ほどとあまり変わらないですけど、あたりの鬱蒼とした感じはこちらの方があります。

四連隧道なので小さな隧道が4つ連続して続きます。
隧道を潜ると景色が一気に変わって、登山道といった雰囲気になります。
舗装もされておらず、道もぬかるんでいたりします。
茶畑側から入ると配り勾配なのでスピードとブレーキに気をつけて慎重に。
油断するとぬかるみでタイヤが滑って泥だまりの中に着地や転倒することになります。

森町に帰ってきてたまたま見つけたのが次郎柿の原木。
東海地方を中心に栽培されている、秋の味覚”次郎柿”美味しいですよね。
シーズンになると一度は食べたい柿ですが、住宅街の小道の脇にその原木がありました。

本日、最後に立ち寄ったのが天宮神社。
交通安全祈願の神社で、日々のポタリングの安全を祈願して参拝してみました。
随分と開けた場所に社殿が建ち、右奥にあるのが御神木だそうです。

社殿を写真に撮って立ち去ろうとしたところで、お爺さんに呼び止められて色々とお話を伺うことになりました。
御神木の裏手までまわってちゃんと見てみたか?と、おっしゃられるので後ろにまわって撮影したのがこちらの写真。
御神木が大きく縦に裂けて、なんと幹の中が空洞になっています。
落雷によって木が損傷して折れてしまったところに、傷口から腐食が進み、中身が空洞になってしまったそうです。
数年前の台風であたりの大きな樹木は軒並み倒れてしまったそうで、なるほどよくみると、あたりにはすごく大きな切り株が点在しています。
すごく開けた場所に見えたのもそれが関係しているのかもしれません。
そんな中で、樹齢1000年を越すと言われる、中身が空洞のこの御神木が残っているというのはすごいことなんだなと改めて考えさせられました。
まとめ
デイトナ本社からのポタリングいかがでしたか?
すっきりとした秋晴れとまではいかず、途中どんよりした空になったりでしたが、随分と気温も落ち着いてきて走りやすいポタリングでした。
可睡斎と油山寺の二つのお寺比べ、それぞれに特徴の違いがあって面白かったです。お寺巡り今後もちょいちょい入れていこうかと思います。
今回は隧道をはじめとした、すごくローカルな田舎道をあちこちと走り回った感じです。
事前の下調べと、サイコンによるナビがないときっと迷ってしまったに違いない。
迷ってもわかりやすい幹線道路が周辺にあるので帰れなくなることはないと思いますが、事前準備の大切さを感じました。

DE02-2について
これまではDE01やDE03などのミニベロを乗ることが多かったのですが、今回チョイスしたのはDE02-2。
以前のDE02よりもタイヤが小さくなっているとのことで、全長や車高も以前よりコンパクトにまとまっているとのことです。
とはいえ、乗車した時は前傾姿勢になるので、自然とスピードが出やすい自転車です。
ゆったりと漕いでいる感じでも、アシスト限界近くの20kmオーバーのスピードが出せるかんじです。
前回のDE01Xよりも、より一層に自転車で走っている感が出るのがDE02だと思います。
今回、長い下り坂で50km近くのスピードが出ましたが、タイヤの径が大きいので、ミニベロよりも高速時の安定感があって安心して走れます。
ブレーキもディスクブレーキ装備なので、柔軟なスピードコントロールができますね。

試乗してみた感んじがこちら。163cmの足短めおじさんですが無理なく乗ることができます。
ポタリングってどうしても、自転車の乗り降りが頻繁になるのですが、止めてある自転車からのハンドル握って、自転車またいで、ペダルに足乗せての漕ぎ出しもスムーズでした。
この点に関しては以前のDE02とは全然違いを感じますしDE03やDE01よりも乗りやすい気がしました。
今回の旅のお立ち寄りスポット
- デイトナ本社 ※一般公開はしておりません、ご了承ください。
- 天竜浜名湖鉄道 円田駅
- 袋井一色隧道
- 可睡斎
- 家康公 出世六の字穴
- 油山寺
- 和田岡の茶畑
- 吉岡大塚古墳
- 宇刈四連隧道
- 次郎柿の原木
- 天宮神社