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【アーサーのポタリングレポート】第9回:安城サイクリングロードをポタリング

これまで山間部を走り毎回のように峠を越えてきたポタリングでしたが今回は平らな平野を走ります。
こんにちは“孤高のポタライダー”アーサーです。

コース概要

今回ポタリングしたのは西三河。JR安城をスタートして豊田安城サイクリングロードを南に走ります。
矢作川を越えて西尾の茶畑まで走りJR三河安城駅まで戻ってきます。
途中、公園やお寺など紅葉が綺麗そうな場所を巡りながらのポタリングです。

走行距離:37.00km
獲得高度:158m
所要時間:5.0時間(休憩含む)

サイクリングロードをポタリング

JR安城駅をスタートしてサイクリングロードを走ります。その名の通り自転車用に整備された道ですのでポタリングするには快適です。

豊田安城サイクリングロードは豊田市から安城市に至る36.3kmの大規模自転車道で、枝下・明治用水路の水路沿いに、あるいは暗渠化された水路の上部を利用して整備されています。愛知県が管理する「豊田安城自転車道」と「枝下緑道」から構成されており、豊かな緑と水のせせらぎが心地よいサイクリングを満喫できます。(豊田市内に一部サイクリングロードとしての未整備区間がありますが、ルートとしては通行可能です。)

出典:愛知県建設部道路維持課 豊田安城サイクリングロード:サイクリングロードの概要

安城公園と安城神社

JR安城駅から程近く、安城市役所の裏手にあるのが安城公園。園内には池があったり、鹿や孔雀、フラミンゴなどの動物舎もあります。
紅葉も綺麗に色づいていましたが、それよりも紅葉が見事だったのが、すぐ隣の安城神社でした。

枝ぶりの良い紅葉が見事に真っ赤に紅葉しておりました。

豊田安城サイクリングロードを走る

安城公園を後にするとサイクリングロードをひたすら南に走ります。この辺りのサイクリングロードは明治期に農業用水として建設された明治用水に沿う形で整備されています。
都市部のあたりは用水路が暗渠化されており、その上を走行するような形です。少し郊外に出ると、用水路に並走する形でサイクリングロードが続いています。
大きな道路と交差するポイントではサイクリングロードの方がアンダーパス化されていたりするなど、サイクリストにはすごく走りやすい道になっていました。
時々歩行者なども見かけますが、周囲の視界も開けていて、急に路上に飛び込んでくるという状況もないため安心して走れるのではないでしょうか。

明治用水が整備されるまではただの原野だったそうですが、今ではサイクリングロードの周囲は田畑が広がっていて愛知県下でも有数の農作地帯となっています。

三河一向一揆の中心地“本證寺”

サイクリングロードの終点近くから道を逸れて本證寺にやってきました。今年の大河“どうする家康”でも取り上げられた三河一向一揆の中心となったお寺ですね。
広い境内の周囲は塀と水堀で囲まれており、寺というよりちょっとした城郭を感じさせます。
それにしても「若き家康と戦った三河一向一揆」という幟が少し捻くれている感じがして面白いです。

西尾の抹茶畑

矢作川を超えて西尾へポタリングします。西尾といえば抹茶。
小高い丘の上にある稲荷山茶園公園からは周囲に茶畑が見渡せます。その規模はおよそ100ha(1ヘクタールは100m×100m)西尾市の茶畑は全体でも200haで残りの100haのほとんどがは市町村合併した近隣の旧西尾市街の耕作地のことなので、西尾の茶畑はほぼ稲荷山茶園公園周辺に集中していることになります。
ちなみに静岡県の茶畑は19900haとのことなのでそれに比べると圧倒的に工作面積が違うことがわかります。
ただ、お茶の生産地としては後発だった西尾では抹茶の生産に特化して今では生産量の9割以上が抹茶とのことです。
また、西尾の抹茶は全国の抹茶の生産量の2割を占めており、このギュッと茶畑が集まった地域で「抹茶の西尾」というブランドを作り上げている凄みを感じますね。

反対側には西尾の抹茶の顔ハメがありました。
こちらにも茶畑が広がっていますね、製茶工場があるのもわかります。
西尾の抹茶は石臼挽きという昔ながらの製法で挽かれていて、石臼でゆっくりと挽くことで、抹茶の風味を損なわずに、繊細な味わいを引き出しているそうです。

抹茶ミュージアムでおやつタイム

近くの“抹茶ミュージアム 西条園 和く和く”へ行ってみました。週末ということもありミュージアムの方は予約が埋まっており、カフェも混み合っておりました。
店内にはお茶はもちろんのこと、抹茶を使用したスイーツやドリンクが色々と販売されております。
抹茶どら焼きなどのおやつを購入しつつ、抹茶ラテをテイクアウトでいただきました。
甘味は抑えめだけど、濃厚な抹茶の旨みが、お茶菓子を引き立てて美味しいです。
この日は自転車で走っていても寒かったのですが体がポカポカ温まりました。

碧南の貞照院へ

西尾から再び矢作川をこえて碧南市に入ります。
碧南には貞照院という紅葉の見事なお寺があります。
本堂がちょうど耐震補強の工事の真っ最中ということで工事の足場で覆われてしまっていたのですが、綺麗に手入れされた紅葉が紅葉の見頃を迎えていました。
参拝客もわずかで本当に地元のお寺さんという感じでのんびりできました。

吉良氏の山門

帰り際にお寺の入り口の紅葉を眺めていると、このお寺の檀家だという男性から声をかけられました。
檀家といってもお寺を訪れる機会は少なくて、すぐ脇の道路から見えるこの山門脇の紅葉の紅葉が気になっていたそうです。
そして今日ようやく訪れてみたそうでお寺のことを色々お話を聞かせていただきました。
お寺の入り口の茅葺きの山門は室町時代にこの辺りを収めていた吉良氏の邸宅にあったものを移築したものだそうで、吉良氏といえば室町時代では名門の家柄でこの辺りの家康の松平家よりも家格はずっと上、江戸時代になると忠臣蔵で有名な吉良上野介のつながっていく家だそうです。
なるほどお寺に歴史あり、紅葉綺麗だったで素通りするところでした。ありがとうございます。

安城といえば丈山苑

貞照院から油ヶ淵を超えて安城に戻りやってきたのが丈山苑という日本庭園。
江戸時代初期の武士・文人石川丈山。彼が京都市左京区一乗寺に建てた詩仙堂を模して作られたのが丈山苑。
帰宅後に詩仙堂を調べてみると、なるほど確かに似ています。
安城を代表するような観光スポットで紅葉も楽しめるとあって、苑内には抹茶を楽しみながら庭を眺めるお客さんで賑わっておりました。

安城といえばデンパーク

そして安城といえばのもう一つのスポットのデンパークにもやってきました。
全国の農業経営のモデルとなり、世界の農業先進国であるデンマークにたとえられ「日本デンマーク」と呼ばれた安城市。
それにちなんでデンマークの街並みを再現したテーマパークがデンパークです。
デンパークの入り口には見事なメタセコイアの並木道があって少し終盤な感じもしますが紅葉してました。

この日はずっと曇りで肌寒い一日でしたが、時折、雲間から注ぐ光線が綺麗だったりしました。

オールドレンズでのんびりポタリング

日の入り間際にようやく太陽が出てきました。
この日使用したレンズはLeica(ライカ)ズマールL50mm F2というオールドレンズ。
色々とアダプターを利用してデジタル一眼レフに装着してます。
露出はオートで調整してくれるけど、ピントはマニュアル。
おかげで予想以上に時間がかかってしまった結果、夕暮れ時の写真を撮ることができました。
のんびりポタリングするのにはこういったマニュアルのレンズは相性がいいというか向いています。

安城のポタリングまとめ

サイクリングロードを走行しながら、田畑が広がっているのを実感する。
そのサイクリングロードと並走する明治用水のおかげでかつての原野が田畑に変わり、日本のデンマークと称えられるようになった安城。
そしてテーマパークとして出来上がったデンパーク。
安城の歴史を上手くまとめたようなポタリングでした。
決して派手な紅葉のスポットではなかったですが、それぞれの場所でそれぞれの美しい紅葉をみることができました。
紅葉を求めてのポタリングは流石に次回ぐらいで終わりかな。また次回のポタリングも楽しみにお待ちください。

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