初めてDE01にまたがったとき、ずっと追い風が吹いているみたいだな、と思った。
この相棒と一緒なら、どこまでも遠くへ行けるような気がした。
うきうきしながら、浜松市内全域の気になっていた場所にピンを立ててみた。その数なんと154箇所。1番遠いピンは自宅から26.3km先だ。相棒との出会いが、ソファ周辺30cmだった私の縄張りを大きく広げてくれるかもしれない。
ピカピカに輝いたままの相棒を見つめながら、雨が止む日を待った。ようやく晴れ間が見えた土曜日。いつもなら通り過ぎてしまっていたエリアをゆっくり楽しんでみた。
紹介が遅れました。”超初心者ポタライダー” コハルです。
筋金入りのインドア派で、花より団子、体育の成績は5段階評価で2。
浜松市内の物珍しいものや、食べてみたいものに心惹かれつつ、「家から出るのがめんどくさい」という壁(=玄関)を乗り越えられないまま、Uターン移住4年目を迎えてしまいました。
この度、縁あってDaytona Mobilityアンバサダーとして活動することになりました!
のんびり楽しく街中ポタリングをしていきます。よろしくお願いします!
コース概要
静岡県浜松市浜名区(旧浜北区)のプレ葉ウォーク浜北が今回のスタート地点。
美薗中央公園駅そばのペルー菓子の店「Yaki Delicias」に立ち寄ったあと、1.5kmほど南下して、テントの並ぶ外観が気になる「こーば珈琲」を目指した。
総走行距離:4.8km
所要時間:3時間50分(休憩含む)
高低差:+15m / -15m
初ポタリングはプレ葉モール周辺で
ポタリングに必要な物を買うためにお世話になった、プレ葉モール浜北をスタート地点にした。
出発前に、どの角度から見てもかわいくてかっこよくて頼りになる相棒の写真を撮っておく。今日はよろしく頼むぜ。
プレ葉モール浜北を左手に見ながら進み、貴布祢野中交差点で右折。漕ぎながらギアを慎重に変えてみる。あまりに軽々と進んでしまうので、半分より少し、負荷を重くしてみた。
南東へ向かって900mほど下り、「ペルーのミートパイ」と書かれたのぼりを目指す。
歩けば10分以上ある距離もDE01となら一瞬だ。「ルージュの伝言」を歌いながらご機嫌に進む。
多文化共生が進む浜松市
少し細く説明を。浜松市は2017年に「インターカルチュラル・シティ・プログラム(ICC)」にアジア初の都市として加盟した日本有数の多文化共生都市だ。2024年2月現在、日本でICCに加盟している市は浜松市のみ。多文化共生に関しては、国内でもトップクラスの市なのだ。
注釈
浜松市公式ホームページより
インターカルチュラル・シティとは、外国人住民などそれぞれの背景を持つ住民の多様性を好機と捉え、まちの活力や革新、創造、成長の源泉とする新しい都市政策として、「インターカルチュラル・シティ(Intercultural Cities)」という考え方。
2008年から欧州評議会が主導して「インターカルチュラル・シティ・プログラム(ICC)」が推進されており、欧州を中心に140以上の都市が加盟しています。
そんな浜松市の外国人住民数ランキングは、ブラジル、フィリピン、ベトナム、中国、ペルーの順だ。花より団子の私にとって、その国のことを知るときもまず食から。美味しい食べ物を食べれば、作った人のことをもっと知りたくなるし、伝統的な食べ物にはその国の歴史や文化、地理の情報がつまっているものだからだ。せっかく色んな国の料理を食べられる街に住んでいるのだ、この連載でもときどき訪れていきたい。
日本唯一!?のペルー菓子専門店へ
浜北プラザホテル(夏場はビアガーデンで賑わう)の手前、貴布祢北交差点そばで、目当てのYaki Deliciasを見つけた。
試食あります、と書かれた看板を見て思わずにんまりする。初めてのペルーの食べ物。いろんなお菓子を食べれるのは大歓迎だ。
今回訪れたYaki Deliciasは、テイクアウト限定の小さなお店。ペルー菓子の専門店だ。
店主のYakiさんは明るくにこやかで、いるだけで場が華やかになる。ショーケースの中のお菓子を見つめていると、1つずつ解説しながら試食をすすめてくれた。
1番気に入ったお菓子はアルファホルだ。柔らかいクッキーの間に、これまた柔らかいキャラメルが挟まれていて、食感の違いが楽しい。後味が甘ったるくないのは、トッピングのココナツのおかげだろう。ココナツ大好き人間にはたまらないお菓子だ。
他にも、ロスキタス(アニスという香草の入った軽めのクッキー)、ブディン(パンプディングに近い)を試食させてもらう。
どれも美味しくて好みの味だ。迷いに迷って、最初に感動したアルファホルと、ロスキタスを買って帰ることにした。
レジの横に、Yakiさんの写真があった。隣に映っているのは、お父さんだそうだ。日本人のお父さんと、ペルー人のお母さんの間に生まれたYakiさん。
ペルーのお菓子専門店は、おそらく日本で唯一ここだけだと誇らしげに話してくれた。全国配送をしているそうだから、気になった方はInstagramを覗いてみてほしい。
このアルファホル、コーヒーに絶対合うな。帰ったらコーヒーを淹れて、アルファホルを食べながら、Yakiさんのお店の魅力を家族に話そう。
コーヒーといえば、ペルーでもコーヒー豆を育てていたはずだ。
コーヒー専門店でペルー産のコーヒーを買って、このアルファホルと一緒に食べてみたいぞ。
浜松市内で買える店はあるだろうか。ポタリングで行ってみよう。
住宅街を自転車散歩
と、考えごとをしながら漕いでいたら、気づけば知らない住宅街にいた。ふと、そのままぶらりぶらりと住宅街を散策してみようと思った。うろうろを楽しめるのは、電動自転車だからだ。残りの体力を気にしなくても良い。(もちろん、バッテリーの残量は気にしなくてはならない。)
目的地が見つからなくてもいいか、と、地図を見ずにそのまままた新しい路地に入って行ける。
路地を進むたびに、違う匂いが鼻に飛び込んでくる。縄跳びをする子どもたちや、ベビーカーを押した夫婦とすれ違いながら、この町に住む人たちの暮らしを想像する。
あまりにオシャレな建物があったので、これは何のお店だろうと思わず足を止める。
美容院か?カフェか?建物の周りをぐるりと回ってみると、なんとまさかの保育園。
思わず写真を撮った。(エトワール保育園さんに掲載許可もらいました)
今日の最終目的地へ
ようやく辿り着いた今回の最終目的地「こーば珈琲」。到着が遅過ぎて、営業終了時間をギリギリ過ぎてしまっていた。
優しい店主さんが、テイクアウトなら作れると言ってくださったので、お言葉に甘えてカフェオレを注文する。
カフェオレができるのを待つ間、店内をチラリと覗くと、とてつもなく居心地が良さそうな空間が広がっていた。
実家というより、慣れ親しんだ部室のような安心感があった。
初めて部活見学に来たはずなのに「あぁ、私、この部活に入るんだろうな」と直感する感じに似ている。
そう伝えると、店主は「入りにくくて、出にくい店を目指している」とにやり。今度はもっと早い時間に来たい。
カフェオレを飲み終わり、お礼を告げて自宅へ向かう。2時間近くポタリングしていたけれど、出発点からたった2kmしか離れていなかった。
歩いても30分程度の距離なのに、なんだかものすごく冒険していた気がする。
小学生の頃の夏休みも、こんな感じに、時間や世界が無限に広がっていたなぁ。30代になって、またこんな冒険を楽しめるなんて。大人の夏休みはまだまだ続く。
最後になるが、実は、今回のポタリングの途中にヒヤリとすることがあった。歩道の段差を登りきれなかったのだ。
ぐいぐい進んでいるときは平気な段差も、ゆっくり進んでいればとても危険になるので、このレポートを読んでいる私と同じ超初心者の方は気をつけてほしい。
ご近所を4時間ポタリングまとめ
浜松市浜名区の浜北駅〜美薗中央公園駅周りを訪れた。直径1.5kmほどのエリアを2時間かけてゆっくりと散歩し、車や歩きでは得られない不思議な満足感に包まれた。
ふらり気になる店に入り、店主の思いを聞き、気づけば常連になっている、そんな出会いを大事に浜松エリアを中心にポタリングしていきたい。
今回の旅のお立ち寄りスポット
- プレ葉モール浜北 バイシクルわたなべ ※デイトナモビリティの取扱はありません。
- Yaki Delicias
- エトワール保育園
- こーば珈琲